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健康情報

日本人の平均寿命は世界でもトップレベルですが、超高齢社会となったいま大きな課題となっているのが、平均寿命と健康寿命の差をいかに縮めるかです。そのためには性別や生涯における年齢変化による段階(ライフステージ)から健康問題を考え、生活を見直すことが重要です。
本頁では、2017年11月に行われた「食育健康サミット2017」で行われた帝京大学臨床研究センターの寺本民生先生のご講演をご紹介します。

●目次
日本人のライフステージにおける健康課題
男性に多いメタボリックシンドローム
女性に増えているやせと健康への影響
ごはんを中心とした日本型食生活のすすめ

■日本人のライフステージにおける健康課題

わが国では急速に高齢化が進み、先進諸国のなかでもトップクラスの平均寿命を誇っています。超高齢社会を迎えた現在、平均寿命でなく、健康寿命(健康に問題がない状態で日常生活を送れる期間)をいかに伸ばすかが新たな課題となっています。

実際、日本では、寝たきりや介護を受けながら過ごす"不健康な期間"が、男性で約9年、女性で約12年あるといわれています。本人の苦痛はもちろん、周囲の方々の負担も大きく、さらに、医療費の面からみても、平均寿命と健康寿命の差、つまり"不健康な期間"をいかに縮めるかが重要な課題といえます。

日本人の健康に関する問題は、性別やライフステージによって異なります。たとえば、要支援・要介護になった原因として、男性は脳卒中や心臓病などの動脈硬化性の疾患が3分の1を占めています。これらはメタボリックシンドローム(メタボ)が関連しています。一方、女性は骨折・転倒、関節疾患といった、いわゆるロコモティブシンドローム(ロコモ)に関連する疾患が3分の1を占めており、男女の違いは歴然です。

■男性に多いメタボリックシンドローム

男性は30~40歳代から肥満が増えます。40歳代男性の肥満と脂肪の摂取量、米類の摂取量の関係を調べると、1975年頃、脂肪と米類の摂取バランスがよく、BMI(体格指数)も良好でした。その後、米類の摂取量は年々減少し、反比例して肥満は増加しています。これはごはんを中心とした日本型の食生活から人々が離れていき、食事スタイルが変わった結果、肥満が多くなっていることを示しています。

かつて日本は肥満が少なく、心臓病の発症も諸外国と比べてとても低かったため、メタボも問題にはなりませんでした。肥満が少なく米の摂取量が多かった1975年当時の食事と2000年以降の食事をマウスに与えて比較すると、1975年当時の食事を与えたマウスは内臓脂肪が減少して脂肪細胞が縮小するなど、伝統的な日本型の食事は脂肪の代謝に良好な影響を与えることがわかりました。

また、30~40歳代の男性を対象とした研究では、動物性脂肪を控え、魚や野菜、大豆、海藻などをバランスよく食べる日本型食生活にすると、体重やBMI、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)、中性脂肪などが減少することがわかりました。壮年男性の健康のためには、ごはんを中心とした日本型の食生活がおすすめです。

■女性に増えているやせと健康への影響

女性は初潮・閉経、妊娠・出産などホルモンによる身体の変化が大きいため、男性以上にライフステージに合わせた健康管理が求められます。

骨が大きく成長する時期にある若い女性が無理なダイエットをすることは骨粗しょう症につながる危険性がありますし、妊婦の摂取エネルギーや必要な栄養素が不足していると産まれてくる赤ちゃんが将来的に生活習慣病になる割合が高くなるといわれています。

また、女性のライフステージは、50歳前後の更年期を境に大きく変化し、骨を強く保つエストロゲン(女性ホルモンのひとつ)が減少することで、骨粗しょう症や変形性膝関節症といった病気を発症し、骨折や関節疾患というロコモ問題が出てきます。

介護は受ける側も行う側も、女性が高い割合を占めています。女性が高齢になっても健康でいられることは、男性も含めた日本全体の健康を考えるうえで非常に重要な課題です。

■ごはんを中心とした日本型食生活のすすめ

高齢者は肥満よりもサルコペニアやフレイルが問題となります。高齢者では、食事を制限するのではなく、タンパク質をきちんととり、身体を動かすことが大切です。これらは認知症予防にもつながります。

生涯の健康は、胎児としてお母さんのお腹にいるときから子ども時代、青年期、壮年期と、連続的な流れで決定されます。男性も女性も高齢になってからの健康だけを考えるのではなく、ライフステージ全体を通じて、食事や運動といった生活習慣を十分に考え、対応しなければなりません。

米は、重湯、おかゆなどいろいろな使い方ができ、赤ちゃんから高齢者までが幅広く食べやすい主食です。ライフステージ全体を通じて伝統的な日本型の食生活を取り入れることは、メタボなどの生活習慣病、ロコモを予防・改善し、妊娠中の低栄養を解消することにつながります。ごはんを中心とした日本型の食生活は、日本人の健康寿命を延ばす鍵のひとつなのです。

講 師
drteramoto.pngのサムネイル画像帝京大学臨床研究センター センター長
寺本内科・歯科クリニック 内科院長

寺本 民生 先生


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