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健康情報

2015年7月の「第47回日本動脈硬化学会総会・学術集会」市民公開講座レポートの第3弾です。岐阜県総合医療センター 内科・総合診療科の飯田真美先生による「タバコの恐ろしさと禁煙の大切さ」についての話です。

○目次

・タバコにはたくさんの有害物質が含まれる

・タバコをやめたその時からリスクは下がる

・スワンスワンの日(毎月22日)から禁煙を

タバコにはたくさんの有害物質が含まれる

脂肪分や塩分の摂りすぎ、運動不足など、健康を害したり、動脈硬化を進める生活習慣は、さまざま指摘されています。でも、そのどれよりも、タバコが原因で亡くなられている方が多いのです。日本で年間、13万人近くの方が、喫煙が影響する病気で亡くなられています。

次のうち、タバコの煙に含まれているのはどれでしょうか?

・一酸化炭素

・ニトロソアミン

・ヒ素

・ベンツピレン

・シアン化水素

・アセトン

・アンモニア

正解は全部です。

大体4000種類くらいの物質が含まれていて、そのうち発がん物質が約70種類と言われます。

市販の食品に、1つでも発がん物質が入っていると大変なことになります。けれど、タバコはなぜかふつうに売られています。不思議ですね。

タバコに含まれる物質が燃焼すると、活性酸素が出ます。活性酸素は血管の内側の組織をつくる「内皮細胞」にダメージを与えるため、タバコと動脈硬化は非常に関連性が高いと言われているのです。

「私は低ニコチン・低タールの軽いタバコを吸っているから大丈夫」と、思っている方がおられます。必ずしもそうとは限りません。

タバコは、フィルターに開いた穴で、主流煙(吸い込む煙)の量が調整されています。ニコチンやタールの量は機械で計測されていますが、人の呼吸は機械のように一定量ではありません。「ちょっと薄いな」と思ったら、強く吸い込むこともあるでしょう。満足感を得るために、フィルターの手前ギリギリまで吸うようになるかもしれません。軽いタバコに代えたからと言って、取り込む有害物質が少なくなるということにはならないのです。心筋梗塞になる方を見てみると、タバコの軽い/重いにかかわらず、喫煙者のリスクは同じくらい高いということがわかっています。喫煙者で心筋梗塞になる人は、男性も女性も非喫煙者の約3倍に上ります。脳卒中は男性も女性も1.2~2倍くらい発症しやすくなります。

タバコをやめたその時からリスクは下がる

タバコをやめると太るので糖尿病になる、と思っている方がいらっしゃるといます。しかし、データでは、タバコをたくさん吸うほど糖尿病の発症リスクが高いことがわかっています。また、吸わない人より、吸っている人のほうがメタボにもなりやすいのです。タバコをやめて数年たてばメタボの危険は減ってきます。

認知症にも影響します。10年ほど前に、「タバコを吸っている人のほうがアルツハイマー病になりにくい」と言われたことがありました。しかし、その後、前向き研究(研究を開始してから後の事象を調査する研究方法)で検討しなおしたところ、そうではないことがわかりました。

55歳以上で認知症でない方を長期間観察すると、実はタバコを吸っている人のほうがアルツハイマー病になりやすかったのです。脳梗塞や脳出血が原因で起こる「脳血管性認知症」も、喫煙者のリスクが高く、禁煙すればリスクは下がります。認知症になりたくなければ、タバコをやめたほうがよいのは明らかです。

しかも、禁煙するとすぐに、体には良いことが起こり始めます。8時間ほどで血液中の一酸化炭素濃度が、吸わない人と同じレベルになります。味やにおいがわかるようになり、咳やたんが少なくなります。1~2年すれば心臓病のリスクが目に見えて下がります。がんに関しては、吸わない人と同じレベルになるには10年くらいかかります。

大気汚染の原因とされる「PM2.5」というキーワードをご存じかと思います。髪の毛の太さよりずっと小さい、直径2.5ミクロン以下の粒子を言います。それだけ小さい粒子を人が吸い込むと、肺の奥の深いところに入ってしまいます。だから危険だと言われている訳です。

実はタバコの煙の粒子は0.5ミクロン前後。副流煙も危険です。産業医科大学の大和浩先生によれば、タバコが吸える喫茶店の店内は、大気汚染が問題視されている北京の外気より、PM2.5の濃度が高いのです。屋外なら、風や雨でPM2.5は薄くなりますが、屋内ではいつまでも空気の中に漂っています。換気の悪い屋内でタバコを吸うのは危険なのです。国立がん研究センターの試算では、受動喫煙だけでも、年間に6800人が亡くなっていると言われています。

スワンスワンの日(毎月22日)から禁煙を


maituki_RGB-1.jpg タバコを吸いたくなるのは、煙にニコチンの成分が入ってるからです。ニコチンが脳に入るとホッとするような感覚になり、しばらくして身体の中から減ってくると、またタバコが吸いたくなります。吸うとまた満足するので、「タバコっていい」と思ってしまいます。

こんなことを1日なんども繰り返す状態がニコチン依存症です。医療機関で治療を受け、条件を満たせば保険診療で医療機関での治療を受けることができます。12週間で上手に禁煙するというコースになっていて、貼り薬や飲み薬、ガムなどでニコチンの離脱症状を抑えるので、比較的楽に禁煙ができます。禁煙したいのにできなくて苦しんでいる方がいらっしゃれば、ぜひ教えてあげてください。

3か月12週間の治療で、約2万円(自己負担額)がかかります。これを高いと思いますか。

タバコを1日1箱吸われる方は、1年間で16万5000円が煙と消えます(1箱450円換算)。2箱なら33万円です。そう考えれば、治療を受けてタバコ代をなくし、健康を手に入れるのは良いことだと思いませんか?

"毎月22日が禁煙の日"に定められています。数字の「2」はハクチョウに見えますね。白鳥は英語でスワン。「吸わん吸わん」という語呂合わせと、やめたい人とそれを支える人、という意味で、2羽のスワンになっています。

記念日から禁煙をスタートされる方がいらっしゃいますが、誕生日などでは1年に1回しかありません。次の22日のから、禁煙にチャレンジされてはいかがでしょうか?



地方独立行政法人岐阜県総合医療センター主任部長 内科・総合診療科

飯田真美先生
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