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血管健康くらぶHOME > 健康情報 > 市民公開講座 > 脂質(コレステロールなど)異常症を改善するには?~日本動脈硬化学会市民公開講座レポート第2弾~

健康情報

2015年7月に行われた「第47回日本動脈硬化学会総会・学術集会」市民公開講座レポートの第2弾をお送りします。
帝京大学医学部教授・木下誠先生による「脂質異常症の治療法」です。
 
●目次
・コレステロール値を改善すれば、本当に動脈硬化を防げる?
・コレステロールの値を下げる方法
・「コレステロールを食べてもOK」の報道は本当か?

コレステロール値を改善すれば、本当に動脈硬化を防げる?

動脈硬化の大きな原因のひとつが「脂質異常症」です。脂質異常症にどう対応し、動脈硬化を防げるか? についてお話ししていきたいと思います。
 

悪玉のLDLコレステロールや中性脂肪が多い、もしくは善玉のHDLコレステロールが少ないと、動脈硬化が起こることはわかっています。では、それらを改善すれば本当に動脈硬化を予防できるのでしょうか?
 

努力して脂質を改善させても何も変わらないのであれば、意味がありません。がんばれば、動脈硬化になるリスクを減るのかどうかが問題です。
 

日本人で、コレステロールを減らすと病気になる人が減るかどうかを調べた研究があります(Megaスタディ)。調査対象は、元々コレステロールの値が高めの人たちで、Aは薬でコレステロールの値を大幅に落としたグループ。Bは、食事に気をつけて少しだけコレステロール値を下げたグループです。
 

2つのグループをおよそ6年間かけて観察しました。すると、脳卒中や心筋梗塞など、動脈硬化に起因する病気にかかる人は、薬でコレステロールを下げたAグループのほうが少なかったのです。
 

Aグループは、Bグループと比べて心臓病になる人が23%、脳梗塞は19%、動脈硬化が関連する病気全体では21%少ないという結果になりました。
 

一方、がんで亡くなる人の割合は全く変わりません。「コレステロールを減らしたらがんのリスクが高まる」などという説が取り上げられることもありますが、それは間違いです。
 

コレステロールの値を下げる方法

動脈硬化を減らすにはまず禁煙が重要です。

コレステロールの値を下げるには、食事・運動療法をおこなうのが原則です。
 

太っている人は食べ過ぎを抑えてください。「食べる量を減らしてくださいね」というと「私、そんなに食べないんですよ、水を飲んでも太るんです」なんて話になります。でも、多くの方はやっぱり食べています(笑)。次のようなことに気をつけてください。
 

・時間が来たからではなく、お腹がすいたら食べる
・満腹になるまで食べず、常に「もう少し食べたいな」というところでやめておく
・油ものや甘いものは、カロリーが高いので控える
・野菜とキノコ、海草類をたくさん摂る
・朝をちゃんと食べ、夜遅く食べるのは避ける
・良くかんで食べる
・お腹が空いているとたくさん買ってしまうので、空腹時の買い物は避ける
・体重は毎日測る
・摂取カロリー全体に占める脂肪の割合を20~25%に
・コレステロールを控えて飽和脂肪酸を5~7%に
・炭水化物は50~60%に
・青魚に含まれる多価不飽和脂肪酸を増やす
・食塩を減らす
 

「実践できていないかも」と思い当たるところがあったら、気をつけてくださいね。

運動も大切です。運動によって善玉コレステロールが増え、中性脂肪の下がることがわかっています。
有効なのは有酸素運動です。ウォーキング、水中歩行、ダンス、ラジオ体操、スキー、太極拳etc......。「ちょっときついかな」と感じる程度の運動を、1日30分以上を目安に行いましょう。

 



最終的には動脈硬化にならないことが目標ですから、生活習慣を変えてもコレステロールや中性脂肪が下がらなければ、薬物治療も選択肢になります。「スタチン」という血液中のコレステロールを下げる薬が、よく使われています。



===============<飽和脂肪酸について>=============
コレステロールと食事を考えるときに重要なのが飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸をたくさん摂ると、それだけでコレステロールがたくさん生まれます。

コレステロールが高いときには、摂取カロリーに占める飽和脂肪酸の割合を5~7%にしましょう。特に、人工的に作られたトランス脂肪酸(マーガリンやファーストスプレッドに含まれます)はできるだけ減らしたほうがよいでしょう。。

米国では、トランス脂肪酸が含まれた食品を禁止するルールまでできたのですが、日本の場合、厚生労働省がトランス脂肪酸を表記すること自体にためらっているようです。

最後に、食物100gにどれだけコレステロール、飽和脂肪酸が入っているか、というリストを出してみました。食事を召し上がるときに、ちょっと考えていただければ、と思います。

2-02.PNG たとえば、バターはとても飽和脂肪酸が多い。しかし、バターが悪いわけではありません。全体のバランスの中で何をどれだけ摂るか、ということが重要なのです。

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「コレステロールを食べてもOK」の報道は本当か?

「コレステロールはいくら食べてもいい」、というような新聞記事を読まれた方がいらっしゃるでしょう。関心の高い話題ですので、これについて。



そもそも、この情報の出所は米国厚労省です。「食事によるコレステロールの摂取と、血液中のコレステロール値の間に特段の関係はない。だからコレステロールの食べ過ぎはあまり問題がないと考える」という声明が出たのです。



しかし、その後に専門家のコメントが付いています。飽和脂肪酸とコレステロールは当然重要ですが、その前に米国人には糖分やカロリーの過剰が大きな問題なのだ、ということ。
また、先の声明は一般の米国人に向けたものであって、脂質異常症の人には当てはまらないと、コメントしています。健康な人は構いませんが、コレステロールが高値で食事制限を行っている人は、コレステロールを過剰に摂取してはいけない。これは今までと同じです。



さらに、厚生労働省も「日本人の食事摂取基準2015」で、1日の食事コレステロール量は少ないほうが高コレステロール血症対策によい、と明言しています。では、コレステロールをどのくらいまでに抑えればいいのか? 実は、その具体的な値を出せる根拠は少なく、明確な数字は出されていません。しかし、脂質異常症の人が、食事のコレステロール量を減らした方がよいのは間違いありません。これが、新聞で報道されていたネタの正しい内容です。



実際には、コレステロールを摂取してその値が大きく上がる人と、たくさん摂取しても血液中のコレステロール値がさほど上がらない人がいます。それは、腸からのコレステロールの吸収が非常によいか、そうでないかという問題です。私は、食事療法でコレステロール値がぐっと下がる人は、まずは食事でがんばったほうがいいと考えています。




講師:帝京大学医学部教授
木下誠先生
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